胡町、薬研堀の喧騒から少しだけ離れた路地裏。
民芸調の落ち着いた佇まいが、一日の疲れを優しく受け止めてくれる。
「蒼」——その名のように、静かで深い時間がここには流れている。
20時。会食の喧騒を避けるように、この暖簾をくぐる。
店内は、木と土の温もりが感じられる心地よい空間。
カウンター8席。そこには、一人で酒を愉しむための最適な距離感がある。
「いらっしゃいませ」
店主の穏やかな声。過剰な干渉はないが、必要な時にはそっと手が差し伸べられる。
お造り、煮物、焼き物。供される料理はどれも、広島の旬を丁寧に、かつ素朴に引き出している。
奇をてらった演出はない。だが、その実直な味が、独り身の胃に心地よく染み渡る。
地酒を片手に、店内に飾られた民芸品を眺める。
自分の内側と対話するような、贅沢な時間。
仕事の悩みも、明日の不安も、ここでは一時的に棚上げしていい。
ただ、今この瞬間の「旨い」に没頭する。
一時間半。五千円台。
納得して札を置く。
店を出ると、夜風が少し冷たかったが、体の中には温かな火が灯っていた。
来週も, ひとりでふらっと入れる店を探しに行きます。
| アクセス | 胡町電停から徒歩3分 |
|---|---|
| 営業時間 | 18:00~23:00 |
| 定休日 | 日曜日 |
| 一人予算 | ¥5,000〜¥7,000 |