金曜、19時。
広島駅南口。新幹線を降り、ホテルのチェックインを済ませる。
まだ仕事の微熱が頭の奥に残っている。
優等生な和食では、この火照りは鎮まらない。
少しばかりの刺激と、冷えた酒が必要だった。
駅ビルを抜け、高架下を潜った先にある「エキニシ」。
迷路のような路地に、小さな店がひしめき合っている。
その一角に、無機質な空気を纏った「のそのそ」がある。
カウンター席。
隣とは適度な距離がある。
ここでは誰も、他人の皿を覗き見たりはしない。
まずは、広島産のクラフトジンを頼む。
ボタニカルの香りが、鼻腔を鋭く突く。
続いて「鍋焼き麻婆豆腐」。
魚介の出汁が効いたそれは、単なる「激辛」ではない。
深い旨味の後に、痺れるような刺激が追いかけてくる。
辣子鶏(ラーズーチー)を箸で摘みながら、ジンのグラスを傾ける。
汗がじんわりと滲み、仕事の雑念がその熱とともに溶け出していく感覚。
これこそが、一人飲みの醍醐味だ。
1時間。会計は三千円台。
五千円でお釣りが来る。出張の余韻としては、これ以上ないコストパフォーマンスだ。
外に出ると、エキニシの路地を抜ける風が心地よい。
痺れた舌に、夜の空気が甘く感じられた。
来週も、ひとりでふらっと入れる店を探しに行きます。
| アクセス | JR広島駅南口より徒歩3分(エキニシ内) |
|---|---|
| 営業時間 | 18:00〜翌2:00 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 一人予算 | 3,000円〜4,500円 |