19時過ぎ。広島駅ビルの喧騒は、今の自分には少し眩しすぎる。新幹線まで、あと1時間。改札を通る前に、この出張の澱(おり)を静かに落としておきたい。線路沿いの闇に浮かぶ、エキニシの路地へ足が向く。
1. 炭焼 壱|新幹線まで45分、一本の串に集中する
エキニシの入り口、炭火の香りに誘われる。L字のカウンターの端が、俺の定位置だ。一本ずつ丁寧に焼かれる串と向き合い、自分だけの時間を噛み締める。余計な会話はいらない。この静寂があれば、新幹線への足取りも軽くなる。
実用情報:L字カウンター端席あり / 喫煙可 / 予算3,000円〜4,000円
2. 魚菜小町|深夜2時まで、瀬戸内の鮮魚と向き合う
駅ビルのチェーン店にはない、瀬戸内の本物の鮮魚。派手さはない。だが、ここの刺身には広島の「今」が凝縮されている。一合の地酒と、少しの肴。新幹線に乗る前の、贅沢な句読点を打つにはこれ以上ない場所だ。
実用情報:カウンター10席 / 禁煙 / 予算4,000円〜6,000円
3. 酒と辛味 のそのそ|夜を尖らせ、刺激で上書きする
少し毛色を変えて、夜を尖らせる。シビれる辛さと、ジン。出張の疲れを、この刺激で上書きして帰路につく。エキニシの二階。窓の外の喧騒を眺めながら、自分だけの空白を愉しむ。新幹線で眠りに落ちる前の、最高の儀式だ。
実用情報:2階カウンター席あり / 禁煙 / 予算3,000円〜5,000円
新幹線の発車ベルが鳴る前に、俺はこの路地を出る。短い、けれど確かな自分への報酬。来週も、ひとりで来ればいい。