19時。並木通りの喧騒からわずかに離れた中町の路地。
木目の美しい外観が、夜の闇に静かに浮いている。
「お料理 貫路」。
一流ホテルで腕を磨いた料理長が守る、大人のための聖域。
今夜は、ここで自分を閉じたい。
引き戸を開けると、和モダンな空間が広がる。
6席のカウンター。隣との距離は、期待通りに保たれている。
冷たいおしぼりで手を拭い、まずは広島の地酒を。
酒器が手のひらの熱を吸い、喉を抜ける冷たさが一日の澱を洗い流していく。
「お刺身盛り合わせ」が運ばれた。
皿の上に並ぶのは、瀬戸内が育てた天然の輝き。
鰆(さわら)の身が、舌の上で優しく解ける。
醤油が、魚の脂を静かに受け止める。
無駄な装飾はない。ただ、素材の良さだけが語りかけてくる。
続いて、メバルの塩焼き。
炭の香りを纏った皮が、箸を入れると小気味よく音を立てる。
白い身に宿る甘みが、酒の重さと見事に同期する。
骨から身を外す、その単純な作業に没頭できるのが一人の特権だ。
締めは、名高い鯖ずし。
厚みのある鯖が、シャリを力強く抱きかかえている。
自家製ポン酢の穏やかな酸味が、夜の終焉を告げる。
卵5つを使ったという出汁巻き玉子の余韻も、まだ舌に残っています。
| アクセス | 袋町駅から徒歩5分 |
|---|---|
| 営業時間 | 17:30~23:00 |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
| 一人予算 | 8,000円〜10,000円 |