新しくなった駅前の景色を横目に、猿猴橋町へと歩を進める。
古い街並みに新しく灯った、木の温もりを感じさせる暖簾。
「居酒屋 猿猴橋」——今夜は、この清廉な空気の中で閉じたい。
白木が導く、大人の休息
扉を開けると、真新しい木の香りが鼻をくすぐる。
整然と磨き上げられたカウンター席。
余計な装飾を削ぎ落とした空間は、思考を整理するのに最適だ。
店主の丁寧な所作が、今夜の料理への期待を静かに高めてくれる。
備長炭が吹き込む、旬の息吹
まずは、瀬戸内の恵みが詰まった刺身を。
切り口の鋭さが、包丁の研ぎ澄まされ方を物語る。
続いて、備長炭で焼き上げられた串が運ばれてきた。
遠赤外線で旨味を閉じ込めた鶏が、口の中で弾ける。
店主が厳選した広島の地酒が、その脂を優しく流していく。
六千円の静寂、満ち足りた歩道
会計は六千円を少し超えた。
だが、この上質な空間と「真っ当な和食」を独占した満足感に比べれば、妥当な投資だと言える。
店を出て、猿猴橋を渡る。
川面に映る街の灯が、いつもより澄んで見えた。
| アクセス | 広島駅から徒歩5分 |
|---|---|
| 営業時間 | 13:00 – 22:30 |
| 定休日 | 火曜日 |
| 一人予算 | 6,000円〜8,000円 |
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