ホテルで明日の資料を見直し、PCを閉じる。
横川の喧騒を少し離れた路地。
杉玉が一つ、静かに吊るされていた。
女将が守る、横川の秘密基地
潜り戸のような低い入り口を抜ける。
中に入れば、そこは外の世界を忘れさせる箱庭のような空間だ。
カウンターがわずか8席。
美人女将の穏やかな声が、耳に心地よく馴染む。
ここは、誰かに教えたいようで、誰にも教えたくない場所だ。
献立のない贅沢、おばんざいの重み
この店にメニューはない。
その日に仕入れた食材で作られたおばんざいが、カウンターに並ぶ。
おでんの出汁が、白湯のように透き通っている。
燗酒を頼む。
熱すぎず、冷めすぎず。
体に染み渡る温度が、一日の疲れを静かに解かしていく。
充足の五千円、夜風の温度
会計は五千円を少し超えた。
だが、この静寂と女将との距離感を独占した代償だと思えば、むしろ安い。
店を出ると、横川の夜風が、少しだけ優しく感じられた。
明日も、ひとりで歩き出せそうだ。
| アクセス | 横川駅から徒歩3分 |
|---|---|
| 営業時間 | 18:00 – 00:00 |
| 定休日 | 日曜日 |
| 一人予算 | 5,000円〜6,000円 |
こちらの記事もおすすめ