仕事が長引いた。ホテルへ帰る道すがら、薬研堀の街を歩く。夜風が火照った頬を撫でる。胃袋は重たいものを拒んでいるが、このまま眠るには少し寂しい。そんな時、ふと目に留まった「はなのつゆ」の文字。吸い寄せられるように、私はその暖簾を潜った。
深夜の薬研堀、提灯に揺れる温かな予感
店内は、木の温もりが感じられる落ち着いた空間だ。2024年にオープンしたばかりということもあり、清潔感に溢れている。カウンターは4席と限られているが、それゆえに一人客への配慮が行き届いているように感じる。パーテーションもあり、隣を気にせず自分の世界に浸れるのがありがたい。店内の活気は程よく、深夜特有の穏やかな空気が流れている。
地穴子の刺身と、瀬戸内の潮香るウニホーレン
品書きを眺め、まずは「地穴子の刺身」を頼む。広島に来たら外せない一品だが、こちらの穴子は身が締まっていて、噛むほどに淡白な中にも力強い旨味が広がる。続いて、広島のソウルフード「ウニホーレン」。バター醤油の香ばしさと雲丹の濃厚さが、ほうれん草に絡みつく。これを広島の地酒で流し込む瞬間、今日一日の疲れが静かに溶けていくのが分かった。
五千円の多幸感、眠りにつく前の穏やかな時間
地酒を二杯、穴子とウニホーレン、それに小鉢を一つ。十分に満たされた。会計をお願いすると、五千円でお釣りが来た。出張の余韻としては、これ以上ないコストパフォーマンスだ。深夜0時まで開いている安心感も、一人旅には心強い。店を出て、静まり返った通りを歩き出す。多幸感に包まれたまま、今夜は深い眠りにつけそうだ。
| アクセス | 銀山町電停から徒歩3~5分(薬研堀通り沿い) |
|---|---|
| 営業時間 | 17:00 – 00:00 (L.O. 23:00) |
| 定休日 | 日曜日(連休の場合は変更あり) |
| 一人予算 | ¥5,000〜6,000 |
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