流川のメイン通りを一本入り、さらに細い路地へと足を踏み入れる。
セブンイレブンの裏手、ひっそりと佇む「きらく街」の1階。
そこにある「檜や」は、その名の通り、扉を開けた瞬間に檜の香りが鼻をくすぐる。
20時。一日のタスクをすべてホテルに置いてきた。
今はただ、木の温もりに癒やされたい。
カウンターの木が、手のひらの熱を吸い取っていくような感覚。
落ち着く。
刺身の盛り合わせを頼み、ゆっくりとグラスを傾ける。
鮮度。それがすべてを物語る。
そして、この店の締めは「府中の白そば」と決めている。
上品な蕎麦の風味が、酒で火照った喉を優しく通り抜ける。
これを食べるために、今夜はこの店を選んだのだ。
店内の照明も、明るすぎず暗すぎず、一人客の表情を上手く隠してくれる。
常連の会話も心地よい距離感で、自分の孤独を侵食してこない。
一時間。六千円を少し超えた。
出張の経費では落ちないが、自分のための夜にはこれくらいの重さがちょうどいい。
店を出ると、檜の香りが微かに服に残っていた。
来週も、ひとりでふらっと入れる店を探しに行きます。
| アクセス | 胡町電停から徒歩5分 |
|---|---|
| 営業時間 | 18:00~翌1:00 |
| 定休日 | 日曜日 |
| 一人予算 | ¥5,000〜¥6,000 |