[広島駅]「いっちゃん」。新幹線まで40分。お好み焼きを「つまみ」に変える、賢い選択。

お好み焼き

行列の隙間。カウンター端に滑り込む、出張の終わり

広島駅1階、ekieダイニング。お好み焼きの人気店が軒を連ねる「廣島ぶちうま通り」は、いつ来ても熱気と行列に包まれている。新幹線まであと40分。ゆっくりと行列に並ぶ余裕はないが、広島を去る前に、あのソースの香りを喉に刻んでおきたい。

「いっちゃん」。ミシュランのビブグルマンにも選ばれた名店だが、駅ナカのこの店舗は回転が早い。レジで先に注文と会計を済ませるシステムが、時間の限られた出張者にはありがたい。幸い、カウンターの端が一席空いていた。

鉄板の前。立ち上る湯気と、ヘラが刻むリズム。注文したのは「お好み焼き(そば)」にネギトッピング、そして瓶ビール。がっつりと食事にするのではなく、あくまで酒の「つまみ」として、広島の味を迎え入れる準備を整える。

ネギの山、イカ天のコク。ビールで流し込む「伝統の味」

目の前に置かれたお好み焼きは、新鮮な青ネギが山のように盛られている。いっちゃんの生地は驚くほど軽く、キャベツの甘みが際立っている。そこにトッピングしたイカ天の油分とコクが加わり、ビールの最高な相棒へと昇華する。

「美味しい」という言葉よりも、「落ち着く」という感覚に近い。余計な創作を加えない、真っ直ぐな伝統の味。それをカウンターで一人、瓶ビールを傾けながら切り崩していく。この時間は、出張という名の戦場から帰還する前の、ささやかな儀式のようなものだ。

熱々の鉄板から直接ヘラで口に運ぶ。火傷しそうな熱さを、冷えたビールで強引に流し込む。喉を抜ける刺激と、口に残るソースの余韻。これだけで、今夜の広島は正解だったと確信できる。

40分の完結。ソースの香りと共に、改札へ

滞在30分。1,500円ほど。腹を満たすためではなく、心を整えるための時間。最後の一口を飲み込み、お冷で口をゆすぐ。レジは既に済ませているから、席を立つだけでいい。このスピード感こそが、駅ナカ一人飲みの醍醐味だ。

店を出ると、衣類に染み付いたソースの香りが、自分が広島にいたことを改めて教えてくれる。エスカレーターを上がり、新幹線改札へ向かう足取りは軽い。

また次の出張でも、このカウンターの端に座っている自分が容易に想像できる。今夜も、これでいい。広島、また来よう。

[店舗情報]
いっちゃん ekie 広島駅店
住所:広島県広島市南区松原町1-2 ekie 1F
営業時間:11:00 – 21:00
定休日:ekieに準ずる
夜の平均予算:1,000円〜2,000円
一人利用:カウンター席あり
食べログ:https://tabelog.com/hiroshima/A3401/A340121/34024531/

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