水曜の21時。流川の喧騒を離れ、十日市まで足を伸ばした。
路面電車の音も遠くに聞こえるこの街は、夜が深い。
仕事の残響が頭の隅で鳴っている。今は、ただ静かに、旨い酒と肴に身を委ねたい。
ビルの2階、白木のカウンター
階段を上がり、重厚な扉を開ける。
目に飛び込んできたのは、凛とした白木のカウンター。
先客は一人。店主との距離感も絶妙だ。
ここには、賑やかな笑い声も、過剰な干渉もない。
自分だけの時間が、ゆっくりと流れ始める。
旬を味わう、独りの時間
「おまかせ晩酌セット」という誘惑を振り切り、今夜は一品ずつ向き合うことにした。
まずはバイ貝の煮付け。海の香りが、仕事で強張った体を引き摺り下ろしてくれる。
合わせるのは亀齢。辛口の潔さが、喉を滑り落ちる。
海老の春巻。しその香りとクリームチーズのコク。
自家製梅肉ソースの酸味が、味を鋭く引き締める。
小海老の塩辛とポテサラ。酒が進まないわけがない。
十日市の夜に、安堵する
一時間半。ゆっくりとグラスを傾け、旬を噛み締めた。
店を出ると、十日市の空気は澄んでいた。
八丁堀や流川では味わえない、この静寂。
広島出張の夜。たまには、ここまで逃げてくるのも悪くない。
| アクセス | 広島電鉄十日市電停より徒歩1分 |
|---|---|
| 営業時間 | 18:00 – 00:00 |
| 定休日 | 日曜 |
| 一人予算 | 6,000円〜8,000円 |